近江八幡ライフスタイルツーリズム②
近江商人と歴史的町並みの凄味

「三方よしの精神」で活躍した近江商人。国の重要伝統的建造物群保存地区に選定される旧市街を歩けば、情緒あふれる町並みとともに、かつて彼らが躍動した胸踊る物語と出会えます。

近江八幡ライフスタイルツーリズム②近江商人と歴史的町並みの凄味

近江商人が誘惑する町

新町通りや永原町通りの町並みは国の重要伝統的建造物群保存地区に選定され、豊臣秀次(ひでつぐ)が築いた当時の城下町の姿を残しています。そこには近江商人たちが生き生きと躍動した時代の面影が色濃く残り、彼らの精神文化を伝える物語が伝えられています。商売において売り手と買い手が満足するのは当然で、社会に貢献できてこそよい商売だとする「売り手よし、買い手よし、世間よし」の「三方よしの精神」もその一つ。近江商人たちの築いた町を巡り歩いて、彼らの物語を紐解いていきワクワクできるのも近江八幡を旅する醍醐味です。

安土城下町から八幡城下町へ

1579 年、織田信長は近江の安土に壮麗な城を完成させ、その周辺には活気ある城下町が形成されました。有名な楽市楽座の経済政策は商人を集めて賑わいを見せましたが、わずか3 年後、本能寺の変とともに終りを迎えます。その後、豊臣秀吉の甥で後に関白となる豊臣秀次が八幡山に城を築き、安土の城下町の人々を移り住ませたことが八幡山城下町の礎となり、山麓の日牟禮八幡宮を中心に、碁盤の目が特徴の縦12 筋、横5 筋の城下町が造られたのです。信長の楽市楽座に象徴される自由な商業の精神は八幡城下町にも引き継がれ、のちに近江商人の文化がここで大きく花開くこととなりました。

八幡城下町の町並みを愉しむヒント

碁盤目状に整然と配された瓦屋根の商家や町屋が印象的な旧市街。特に新町通りは、重要文化財である旧西川家住宅などを残し、往時の佇まいが息づいています。豪商たちの家々は、切妻造桟瓦葺で平入の木造建築が基本です。正面の構えは格子、出格子、虫籠窓からなり、道路に面する庭に見越しの松を配し、緑を取込んで景観に安らぎを与えています。近江八幡では中二階建が多く、貫見せ(軒下の壁に貫を見せる)は、他に例の少ない独特の意匠と言われています。

近江商人ってどんな人?

近江商人とは近江で商いを行う商人ではなく、近江を本宅・本店とし、他国へ行商した商人の総称です。個別には「高島商人、八幡商人、日野商人、湖東商人」などと呼ばれ、それぞれ特定の地域から発祥し、活躍した場所や取り扱う商品にも様々な違いがあるのも特徴です。


近江八幡を拠点とした八幡商人を代表するのが大手寝具メーカー 西川株式会社の歴代当主。普段は見られない旧市街にある本宅は、毎年春と秋に特別公開をしています。


新町通りにある重要文化財旧西川家住宅と市指定文化財旧伴家住宅は通常公開されており、かつての豪商の暮らしを身近に感じることができます。

町歩きを彩るショップ& 美術館

碁盤目状の町をそぞろ歩けば、古い町家をリノベーションした素敵なショップと出会えます。おまけに町家づくりの美術館まで楽しめるのが近江八幡の面白さです。


たとえば、江戸期創業の広大な酒蔵跡を活かした店舗には地元の伝統的な工芸品や雑貨が集められていたり、町家の佇まいが味わい深いスイーツのお店が点在していたりします。さらには昭和初期の町家をリノベーションした美術館「ボーダレス・アートミュージアムNO-MA」は、和室、蔵、中庭などを活用した、魅力的な表現の場となっています。


個性的な通りをそれぞれに満喫しながら、ときおり立ち寄るショップやカフェ。もちろんランチで近江牛を味わえば、サイコーに満足できる旅にとなること間違いなしです。

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