北里学区

市西部、南北を日野川が流れ北端は琵琶湖につながる。
南に朝鮮人街道が通る。昔は内湖が広がっていたが干拓されて今は農地になっている。
松明は日野川以西の野洲郡野洲町・中主町(現在の野洲市)には、現在見られないもので、この地域が分布の西限と言える。


小田町(小田神社)

松明の特徴

 

芯棒に束にした菜種ガラを巻き縄で縛る。これを松明の下から上へ巻きつけていく。さらに編んだ菜種ガラを巻き、松明を転がしながら順に太くしていく。上の丸い笠の骨組みは青竹を適当な長さに切って割り、円形にし中央に十字に骨組みを入れる。ヨシを縄で編み松明の先に付けて根元を縛る。ヨシを折り曲げて開き円形にし、青竹の輪の骨組みを固定して、笠の形になるよう縄で編んでいく、笠の中程には菜種ガラを丸く付けて飾る。笹のついた青竹を松明の側面につけ、笠の上に笹の先が出るようにする。笹の出ている方が正面。正面に御幣をつける

基本情報

神社名 小田神社
松明の名称・種類・本数 笠松明3基(小田町1基、江頭町1基、十王町1基)
祭礼名 小田神社の郷祭り
場所(住所) 近江八幡市小田町
日時 4月13・14日に近い土・日曜日
地域の概要 市南西部にあり、日野川を挟んで野洲市に接する。小田・十王・江頭の3町の氏子による郷祭りとしての祭礼で、各町より大松明が奉納される。この3町は中世の荘園・仁保庄の結びつきをもつといわれている。同神社の楼門は国の重要文化財。

 


江頭町(日吉神社)

松明の特徴

松明は小田町に奉納されるものを小さくしたもので、盃と徳利の形を表しているという。芯棒の長さは約二間(約3.6m)で、杉が良いとされる。芯棒の周りに藁、菜種ガラを巻き、外側の菜種ガラは5段飾りにしている。上には丸い笠の部分を作る。ヨシを先に付け折り曲げて開き、円形にし青竹の輪の骨組みを固定する。笠の中程には菜種ガラを丸くつけて飾り付ける。正面には笹の付いた青竹を付け、笠の上に笹の葉が出るようにする。笹の左右に一本ずつ菜種ガラと竹で作ったホウキを飾る。笠の根元正面は御幣を1本付ける

基本情報

神社名 日吉神社
松明の名称・種類・本数 松明
祭礼名 日吉神社の内祭り
場所(住所) 近江八幡市江頭町869
日時 4月2・3日
地域の概要 干拓前は港があり、交通の要所として機能した。集落中央を通る朝鮮人街道沿いには店舗が並び、他の多くは農業地域。小田神社(小田町)の郷に属すが、村の氏神として日吉神社を祀り、郷祭りに先立ち祭礼が行われている。

 


佐波江町(佐波江(稲荷)神社)

松明の特徴

本来、菜種ガラで作っていたが不足しているため稲の藁を中の方に使っている。芯棒には長さ五~六間(約10m)の杉や松を用いる。芯棒は燃やさず残しておき毎年使うため真っ黒になっている。
あらかじめ堀につけておいた芯棒に束にした藁を巻き縄で縛る。縄は2本の縄をよって一本にして強度を増す。藁は松明の下から順に三層にわたって巻き付けていく(本来は菜種ガラを用いる)。上まで巻き上がるとクレーンで松明を立て菜種ガラ(株の根元を切り縄で編んだもの)を下から順に巻いていく、途中まで巻くと松明を一度倒し順に巻いていく。
次に上の丸い「笠」を作る。骨組みは青竹を適当な長さに切って四つ割りにし円形にする。曲げやすいように水路に浸けておいたヨシを縄で編み松明の先につけて根元をしばる。ヨシを折り曲げて開き円形にし青竹の輪の骨組みを固定して笠を作る。また、菜種ガラを笠の外側の縁につけて飾り付ける。笹のついた青竹を松明の側面につけ、笠の上に笹の先が出るようにし笠の中央に御幣をさす。(笹の出ているほうが正面)

基本情報

神社名 佐波江(稲荷)神社
松明の名称・種類・本数 笠松明1基
昔は集落の東(一番組or一組)・中(二番組or二組)・西(三番組or三組)からそれぞれ一基
祭礼名 稲荷神社の祭礼
場所(住所) 近江八幡市佐波江町
日時 4月24日(宵宮)・25日(本日)近年は一番近い土・日曜日
地域の概要 日野川の最下流、琵琶湖の湖岸にあり、市のもっとも西部に位置し、松明祭りの西限でもある。近世の新田開発によって開かれた村で、江頭の人が地主になっていることから、江頭や小田神社の松明と形態が似ているとされる。

 


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