武佐学区

市の南東部に位置し、江戸時代には中山道の宿場町「武佐宿」として栄えた。
武佐宿は中山道と八風街道の結節点にあたり、武佐町の交差点を中心に約1kmにわたって伝統的な町並みが続いている。


西宿町(若宮神社)

松明の特徴

3mほどの芯棒に菜種ガラを巻き付け、下部で直径1.2mほどにする。菜種ガラの袴は3段とし、上部にヨシの袴を取り付け折り曲げて広げた部分に青竹で1.2mほどの竹の輪を取り付け固定して、さらにその輪に檜の葉を飾りとして付ける。

基本情報

神社名 若宮神社
松明の名称・種類・本数 開き松明1基/火つけ松明
祭礼名 若宮神社祭礼
場所(住所) 近江八幡市西宿町133
日時 5月第3土・日曜日
地域の概要 中山道沿いの集落で、国道8号が平行するように走る。若宮神社は聖神社ともいわれ、出雲神社(御所内町)・八坂神社(友定町)の郷祭礼に参加する村だったが、明治初期に離脱している。街道を挟んで北番と南番に分かれ、1年ごとに交代で祭礼の準備にあたる。

 


野田町(八幡神社)

松明の特徴

芯棒となる杉材に麦藁を巻き付け縄で固定する。本体は下方から段々に袴を巻き付け13段とする。次に本体上方にヨシを巻き、上方にはみ出た部分を折り曲げる。そこへ竹の笠を取り付け、笠のところへ杉の葉を飾りとして付けていく。また菜種ガラの先端50~60cmを切り取り、束ねて笠に放射状に付け飾りとする。次に麦藁を束ねて象牙状のものを作り、さらに麦藁で輪を2つ作る。これと男根に見立てて笠の下に取り付ける。また、その下に輪をつけ、麦縄を束ねた火つけ用の松明の縄を通し、滑車のようにして点火させる。胴部に男竹を1本取り付け、松明の正面とし胴の内部に御幣をさして完成となる。

基本情報

神社名 八幡神社
松明の名称・種類・本数 開き松明1基
祭礼名 四月祭礼五月祭礼
場所(住所) 近江八幡市野田町
日時 4月第1土・日曜日
地域の概要 集落南端を近江鉄道がかすめる農村地域。四月祭礼となる出雲神社郷祭り(御所内町)と五月祭礼となる八坂神社郷祭り(友定町)の両方へ参加する形態をとっている。また八坂神社の宮元を、友定町と共に担っているとされている。

 


武佐町(牟佐神社)

松明の特徴

青竹を6本立てて、その中心に御幣と天狗の面をつけた5mほどの竹を立てる。そして菜種ガラと樫の枝葉を順々に積み重ねて球状に仕上げていく。ところどころに椿の花を飾り付け、松明の根元になる6本の青竹に菰を巻き付け、縄で12筋巻く、 閏年は13筋とする。さらに菰のまわりに藁苞を立てかけ、地面に本体を中心にしてヨシを放射状に敷く。

基本情報

神社名 牟佐神社
松明の名称・種類・本数 オボン松明1基
祭礼名 牟佐神社祭礼
場所(住所) 近江八幡市武佐町651
日時 4月11・12日
地域の概要 中山道に面する集落で、仲町・神下・西町の3町に分かれ、1年ごとに祭礼を持ち回り、社守を選出している。牟佐神社の祭礼は長光寺町と合同で行ってきたと伝わり、今も神輿の巡行を共に行う。

 


長光寺町(八幡十二神社)

松明の特徴

樫などの枝葉を用いた松明は、八幡十二神社の松明であり、開き松明は、もともと日吉神社の松明であったという。この日吉神社は八幡十二神社の裏山の中腹にあったものを境内へ合祈祀したもので、以来2種類の松明が一ヶ所で点火されるようになった。

基本情報

神社名 八幡十二神社
松明の名称・種類・本数 オボン松明1基・開き松明1基
祭礼名 八幡十二神社祭礼
場所(住所) 近江八幡市長光寺町1034
日時 4月15日前後の日曜日
地域の概要 長江寺と武佐は合同で祭礼を務めてきたと伝わり、今も神輿の巡行を共に行う。牟佐神社の神は男性で八幡十二神社の神は女性であるとされることにまつわる。古くは下平木(現東近江市平田町)を加えた3村合同の祭礼とも、伝承されている。

 


御所内町(出雲神社)

松明の特徴

カシ松明

樫の枝葉を用意し、杭を4本打ち込み青竹の輪を高さ70cmほどのところに2本固定する。そこへ太い枝葉を中心に立てていき高さ3mほどの球状になるように樫の葉を飾りつけていく。また、火のまわりがよくなるようにとヨシの穂先が所々にさし込まれる。松明の根元には、注連縄が巻かれ、地面に放射状にヨシを置き松の皮を置いて飾り付け、小型のツケ松明を5本取り付け縄で固定視する。

松明

杉の芯に稲藁を巻いて、ある程度の太さにしてから糯藁をまく。ヨシを編んだ袴を5段付け、上部には竹でぐるりと笠を付け、ヨシを開いて形を作る。仕上げに檜の葉をさし、彼岸花を飾り、太い注連飾りを円形の竹輪に固定する。これを龍と呼ぶ。高さは5mほど。最上部に御幣をさす。

基本情報

神社名 出雲神社
松明の名称・種類・本数 ①:カシ松明1基
②:松明1基
祭礼名 ①:四月祭礼・五月祭礼
②:加茂・子安・岩上神社祭礼
場所(住所) 近江八幡市御所内町596
日時 ①:4月第1土・日曜日
②:9月第2日曜日
地域の概要 もとは岡部山(出雲山)麓にあり岡部村と称したが、大火で現在地へ移ったと伝わる。現町名は、惟喬親王が逗留した折りに村名を賜ったことに始まるという。出雲神社は出雲山麓へ遷宮された際、長田の天満宮、友定の八坂神社、西宿の聖神社、金剛寺の若宮神社、杉森の日枝神社、御所内の加茂神社、西本郷の本郷神社、野田の八幡神社へ分神されたという。

 


友定町(八坂神社)

松明の特徴

檜の杭を8本立て、さらに横に4本組み、青竹でぐるりをまわした後、樫の枝で形作られる松明。オボン松明と点火に使用する火つけ松明の2つに藁で龍が巻き付けられる。火つけ松明の龍は小さく、松明先端部に竹の飾りとともに付けられる。オボン松明用は大きく3人がかりで編んで付けられる。

基本情報

神社名 八坂神社
松明の名称・種類・本数 オボン松明1基/火つけ松明
祭礼名 四月祭礼
五月祭礼
場所(住所) 近江八幡市友定町310-1
日時 4月第1土・日曜日
地域の概要 集落のちょうど中心あたりで国道8号と八風街道が交差する。幹線道路沿いは商業施設が立ち並ぶ。祭礼は、友定町と野田町の氏子で執り行われるが、松明は各町で製作される。八坂神社の祭礼は、元来五月祭礼だったが、出雲神社祭礼と一体化することにより4月に改められた。

 


西生来町(大宮神社)

松明の特徴

開き松明

高さ4m程度、材料は藁・菜種ガラ・ヨシ・竹を用いる。境内に生える樫の太いものを芯とし、保管して2~3年使う。

若屋松明

高さ2.5mの松明を燃やした後、御輿を拝殿に移して点火される。道路が舗装されるまでは行列の先頭で燃やしながら曳きずっていった。

振り松明

松明を燃やす前、御旅所で休憩する御輿に点火の準備が出来たことを伝えるために点火する。

基本情報

神社名 大宮神社
松明の名称・種類・本数 ①:開き松明1基
②:若屋松明1基
③:振り松明
祭礼名 大宮神社祭礼
場所(住所) 近江八幡市西生来町361
日時 4月第1土・日曜日
地域の概要 中山道沿いの農業地域で新幹線の南方に位置する。現在作られている松明のほかにカシ松明を作っていたことがあった。4本の杭を打ち込みその周囲に竹を編み込み筒状にし、その中に樫の大きい枝を芯にして球状になるように笹竹を指し込んだもので、どの経緯で作られてきたのか判明していない。

 


末広町(男山八幡宮)

松明の特徴

高さ約6mほどで杉の芯棒に藁束を巻き、さらに菜種ガラの袴を数段巻き付け上部にヨシの笠を取り付けた形状になっている。

基本情報

神社名 男山八幡宮
松明の名称・種類・本数 開き松明2基
祭礼名 男山八幡宮祭礼
場所(住所) 近江八幡市西生来町758
日時 4月11・12・13日
地域の概要 東近江市に入る手前、八風街道の西側に位置し、市の南東端域にあたる。慶長年間(1596~1614年)以前に、西生来村の求めによって荒廃地開墾のため7戸が移り住んできたもので、それまでは金剛寺字窪に居住していたという伝承がある。

 

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