八幡学区

豊臣秀次によって開かれた城下町であり、近江商人の本拠地にもなった重要伝統的建造物保存地区を始めとした旧市街地や、JR近江八幡駅周辺から市役所を中心とした新市街地、そして周辺の農村地域により形成されている。


北之庄町(北之庄神社)

松明の特徴

 

松明

芯棒の木にセイタカアワダチソウの枯茎を巻き、表層に化粧ヨシを巻き付け荒縄を4箇所で結ぶ。裾へ袴状に菜種ガラを巻き、上部にも菜種を付ける。化粧ヨシの先を放射状に広げ、割竹の輪を付けて広がったヨシを固定する。

徳利松明

約4.3mの藁縄7本を等間隔に並べ、その上へセイタカアワダチソウの枯茎を上下重ね合わせ、その上に芯棒(長さ4.5m丸太)をおいてこれを包むように縄で縛る。藁束を縄で編みつなぎ、これをつくしの袴のように松明の根元に巻き縄で縛る。松明を立てて周囲に化粧ヨシをあて、その根元を強く縛るのに藁縄を4周巻く。細くくびれた部分にも縄を4周回して縛る。最上部は傘の骨を逆さに広げたようにヨシの根元を先にして放射状に開花させ、割竹の輪を付けて固定する。

基本情報

神社名 ①:北之庄神社
②:日牟禮八幡宮
松明の名称・種類・本数 ①:松明・大松明2基/引きずり松明
②:徳利松明12基
祭礼名 ①:北之庄祭
②:八幡祭
場所(住所) 近江八幡市北之庄町1098
日時 ①:4月第1日曜日
②:大祭り 4月14・15・16日
地域の概要 八幡山北東部に位置し、西の湖に接する。
田園地帯の中にヨシが群生する北之庄沢が広がり、集落の一部は国の重要文化的景観「近江八幡の水郷」の構成地となっている。八幡祭では上之郷に属する。豊臣秀次の城下町整備の際、日牟禮八幡宮の宮元から北方の現在地に移り住まわせたと伝わり、氏子のなかでも古式を残す祭礼を伝える。

 


中村町(八幡神社)

松明の特徴

徳利松明

約7mの芯棒を横にし、これに菜種ガラを巻きつけ、藁縄で縛る。これを下から上へ巻いてゆく。菜種ガラの一巻を「段」と称し、12段巻きつけ、さらに頂部に菜種ガラを巻きつけ、これにヨシを簾状にしたものを巻く。これが終わると、竹を割って輪にしたものを番線で括りつけ、これにヨシの頂部を漏斗状に広げて固定する。輪の部分はハチマキと呼んで杉・檜葉で飾り、さらにホーキと呼ぶ円筒形の飾りや、ショロと呼ぶ竹箒のような形状の飾り物を頂部に取り付ける。本体が完成すると、奉火のときに点火する御幣(日牟禮八幡宮より授与)と、化粧竹と呼ぶ松明側面の竹をとりつけ、ワイヤーと竹で引いたり、突いたりしながら直立させる。

大松明

まず地面に四角く4基の杭を打ち込み、4辺とそれぞれの角を結ぶ対角線をなすように割竹を藁縄で縛り土台をつくる。そこに菜種ガラを詰め込み、ヨシをこの上から円錐状になるように置き、正面には、同じくヨシ束をしっぽを垂らすように置き、それに12基の小さな御幣をさす。中央は先端に笹葉を残した竹を立てる。 

基本情報

神社名 ①:八幡神社
②:日牟禮八幡宮
松明の名称・種類・本数 徳利松明2基/大松明1基
祭礼名 ①:松明祭
②:八幡祭
場所(住所) 近江八幡市中村町
日時 ①:4月第1日曜日
②:4月14・15・16日
地域の概要 JR近江八幡駅の西に位置し、官庁や公共・商業施設などが集中する地域。八幡祭では上之郷に属する。松明行事が行われる八幡神社の境内には天台宗旅庵寺があり、年頭の勧請縄吊りなどの民俗行事も伝わる。

 


大林(八幡神社)

松明の特徴

松明

松明は高さ6m前後、ヨシの段数は七段が多く奇数を良しとするが、九段は苦に通じるとして忌む。宵宮前日13日に、出町1基、八幡町1基都合2基を、日牟禮八幡宮馬場で結い立てている。小祭りのものと比べると形態は同様であるが、随分高くなっている。

基本情報

神社名

①:八幡神社

②:日牟禮八幡宮

松明の名称・種類・本数 ①:笹松明1基/松明4基
②:松明2基
祭礼名 ①:八幡神社の春の祭礼
②:八幡祭
場所(住所) 近江八幡市出町
日時 ①:4月第1日曜日
②:4月14・15・16日
地域の概要 近世は林村と称し、近代以降その一部が「出町」として町場化した。市街地化が激しく、他町のように村の祭りをそのまま受け継ぐ形でなく、第14・15自治会として動く。
旧八幡町開町以前の日牟禮八幡宮の馬場はここの八幡神社まで伸びていたと伝わる。八幡祭では上之郷に属する。

 


宇津呂(公礼宮神社)

松明の特徴

燭台形松明

樫の丸太を芯に菜種ガラを巻き付け、下方から袴を段々に巻いていく。段数は奇数を尊ぶ。頭部にヨシを巻きその先端を漏斗状に広げ、笠に固定する。笠の部分はバチやタイコと呼ばれる飾りや御幣をつける。

ゴンボ松明

竹を芯とし、周りに菜種ガラを巻き、さらに外側にヨシを巻いたものである。

基本情報

神社名 ①:公礼宮神社
②:日牟禮八幡宮
松明の名称・種類・本数 ①:笹松明/燭台形松明2基
②:燭台形松明2基/ゴンボ松明1基
祭礼名 ①:公礼宮神社祭礼
②:八幡祭
場所(住所) 近江八幡市宇津呂町
日時 ①:4月14日
②:4月14・15・16日
地域の概要 旧八幡町内に南接し、周辺は城下町の名残をとどめる景観となっている。
八幡祭では上之郷に属する。公礼宮神社では、松明行事のほか、旧暦6月1日、境内の湧水で足洗い神事が執り行われる。

 


市井(日牟禮八幡宮)

松明の特徴

直前の休日に制作される。高さ3m、頭部はヨシを笠状に広げ、その周りにヨロイと呼ばれる藁こもが巻き付けられる。胴部は長さ約二間(約3.6m)の松丸太を芯に化粧用のヨシを二段に巻き、松明の正面には化粧竹が荒縄で取り付けられる。
胴部はヨシだけを用い、菜種ガラを使わないのが特徴である。なお笠の部分は、藁束で作った「オス」「メス」と呼ばれる飾り物が取り付けられる。

基本情報

神社名 日牟禮八幡宮
松明の名称・種類・本数 引きずり松明1基
祭礼名 八幡祭
場所(住所) 近江八幡市市井町
日時 4月14・15・16日
地域の概要 市のほぼ中央、八幡山の北東部に位置する。
集落の北の境界を朝鮮人街道が通る。かつては比較的小さな村で、多賀・北之庄両村との関係が深かったと伝わる。八幡祭では上之郷に属する。他集落の小祭りに該当する行事は行われていない。

 


土田町(日尊神社)

松明の特徴

松明

本体は長大な芯棒のまわりに菜種ガラを巻き付けたもので、小祭りでは7段、11段、13段の3基を結い、頂部に葭簀状にしたヨシを巻き、さらにその先端を漏斗状に折り広げる。この部分に割竹の輪をつけ、輪には杉や椿の葉で化粧をし、またホウキや藁束で作り中に杉葉で「土」や「田」の字を表す「ガッソウ」と呼ばれる飾りを取り付ける。この他、松明の側面には化粧竹や御幣をつける。

笹松明

一般に「大松明」とも呼ばれるもので、先端に笹葉を残した芯竹を中心に、種殻で円錐の松明を作り、その裾に簾状に編んだヨシを巻き、藁縄のハチマキで縛り美しく整えたもので、普通の松明と同様にガッソウ、御幣を飾る。

振り松明

太鼓の宮入りの時燃やして道案内をするもので、ヨシの丈だけの簡単な手松明である。

基本情報

神社名 ①:日尊神社
②:日牟禮八幡宮
松明の名称・種類・本数 松明3基/笹松明1基/振り松明5基
祭礼名 ①:日尊神社の春の祭礼
②:八幡祭
場所(住所) 近江八幡市土田町802
日時 ①:4月第1日曜日
②:4月14・15・16日
地域の概要 南北に細長い町域をもち、白鳥川が縦断する。近世の村高が1千石を越え、十二郷のなかでも大きな村だった。八幡祭では上之郷に属するが、別に同町のみを「中之郷」と呼ぶ場合もある。小船木町はもともと土田の出郷と伝わるほか、船木町の青根天満宮も土田にあったとされる。

 


多賀町(多賀稲荷神社)

松明の特徴

小祭りは八幡祭の「練習」とのことで1日目の晩に松明奉火、翌日太鼓渡りが大祭りと同様の流れで行われる。

基本情報

神社名 ①:多賀稲荷神社
②:日牟禮八幡宮
松明の名称・種類・本数 ①:笹松明1基/松明5基
②:松明1基
祭礼名 ①:多賀稲荷神社祭礼
②:八幡祭
場所(住所) 近江八幡市多賀町
日時 ①:3月第1土・日曜日
②:4月14・15・16日
地域の概要 日牟禮八幡宮の東に隣接し、八幡山と八幡堀を挟んで南北にまたがる。かつては農村地だったが、新しい住宅の増加が著しい。稲荷神社は、集落のもっとも日牟禮八幡宮よりに位置する。八幡祭では上之郷に属する。

 


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